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トレッキングの基本プラン

トレッキングでは、そこにある全ての自然がフィールドでありコースとなりますが、ただ闇雲に自然を散策すれば良いというわけではありません。季節・場所・コースなどをしっかりと計画してから、プランに沿って自然を楽しむのがトレッキングの醍醐味と言えます。ここではトレッキングを計画するうえでの基礎知識について紹介しています。

フィールド選びについて

トレッキングはアウトドアすべてがベストフィールドです。大自然の奥深い山々や深く静かな谷を歩くものから、歴史のロマン溢れる旧街道や自然歩道をたどるハイキング。潮風に吹かれながらの浜辺の散策、都市近郊の史跡を尋ねる手軽なウォーキングといったものまで、トレッキングのフィールドは計り知れません。目的にあった場所であればトレッキングはどこでも楽しめます。山に海に里にとその場でなければ楽しむことができません。初めてトレッキングをするなら、どんな場所がいいでしょうか?必ずしも目的が明確な人は別として、これからフィードを探す人は、自分の好みや体力に適した場所をみつけていくことでしょう。そのためにも、安全第一で、体力的に無理なく楽しく歩ける場所を選ぶことが大事でしょう。経験を積んで行く事で、自分の目指す最上のフィードが見えて来るでしょう。

変化が富んだ日本のフィールド

日本はトレッキングをするのに最適な土地だと言えるだろう。標高3,000mを越える高山帯から、海岸線にわたる様々な気候帯があり、そこに四季という気候の変化が加わることで変化に富んだ魅力あるフィードを生み出しているからだ。高山帯や中級山も魅力だが、さわやかな高原や低山を気ままに歩くのもいいだろう。また昨今の流行りで、鉄道の廃線跡地や旧街道を尋ねる歴史の跡をたどる歩き方をする人が増えている。

最適な季節・天候を選ぶ

日本は四季により様々な変化を持つ、世界でも類稀な美しい自然環境に恵まれた国だ。緑が芽生え、大地や木々が色づく春、太陽が輝き生命が躍動する夏、そして山々を紅葉のグラデーションで包み込む秋、そしてすべてをモノトーンの世界に変える冬。春夏秋冬と移り変わる季節の中で、自然が見せてくれる表情は実に多彩で、同じフィールドでも訪れる季節や時間によって全く趣の違う自然と触れることができる。だがしかし、ただ美しいだけが自然では無い。時として人を寄せ付けない厳しい面も持ち合わせているのが自然だということも忘れてはいけない。初めてのトレッキングの時や、未知のフィードを歩くときには、期待感と一緒に不安感もある。体力的に、精神的に自分は歩けるのか?装備は?天気は大丈夫か?そんな不安を少しでも解消するためにも、フィードに応じた最適なシーズンに選ぶことが重要です。

都会近郊のフィールド

ついつい山奥や森などに気をとられがちだが、町から離れた郊外にも、海辺の町辺りにも、探してみると格好のフィールドが結構あるものだ。お弁当と飲み物をザックに詰めて歩き出せば、普段見慣れた風景がまた違う風景に見えて来たりする。今まで気づかなかったモノや建物等、新たな発見をすることもあるだろう、身近なフィールドも見直してみるのもいいものだ。

安全なコース設定をする

目的地が決まったら、次にどのようなルートで歩くかを決める。登山口から登って降りてしかするしか無い以外は、大抵の場合いくつかのルートがあるものだ。どこからスタートしてどこへたどり着くかを決める。この選択の仕方次第でトレッキングの安全性、体力度、さらに時に日程も変わってくるので慎重に計画したい。特に初めてのトレッキングなら、なにより無理なく安全で楽しめることを優先したい。 コース入門コースの設定のポイントは、なるべく距離を短いコースを選び、1日の歩行距離も短く設定したい。初めてなら3~4時間、最長でも5時間が限界と考えた方がいいでしょう。そして、3~4時間で山小屋などに辿りつけないコースは除外するようにし、通常1泊2日のルートは、はじめから大きく見積もって2泊3日と設定しましょう。時間の余裕はいくらあっても困ることはありませんから。

標高差は少なく、危険箇所は極力避ける

標高差が少ない、また起伏の緩やかなルートほど体力的負担が少なく、楽に歩くことができます。斜面や起伏の度合いで差がありますが、1時間で登れる高さは250m前後。標高差が250m少ないルートを選べば、1時間で登れる距離が短くて済む。また、ルート上には雪渓や岩場など、難所がある場合がある。山道が不慣れなうちは、危険性の高い場所は極力避けて通りたい。

メンバーを考える

初めてのトレッキングに出かける時に最初に考えることは、どんなメンバーで出かけるのがいいか?ということだ。自然の中を旅するトレッキングは、思いもよらない事がいつでも起こる可能性があります。そのために、メンバーの人選は大事な意味を持っています。単独行動を避けて、必ずグループで出かけること。そして、グループには経験豊富なリーダーとしての適任者を必ず含めましょう。単独行を避ける理由として安全上の理由があります。行方不明者の多くは単独行によるものです。たとえ簡単なコースでも油断は禁物です。それと、同行者が見つからない場合は、手近なサークルに入会するか、旅行会社や専門店、カルチャースクールなどが企画するツアーに参加するといいでしょう。そこで経験を積みながら、気の合う仲間をみつけて、自分に合ったスタイルを確立していくといいでしょう。

プランニング・フローチャート

初めてトレッキングに出かける時の計画を立てる時に、フローチャートで書きだすと分り易く立てやすいです。例えば、「誰と行ったいいか?」という起点となる項目から枝を伸ばし、中心項目になる「経験者に同行してもらう」と他に、分岐して「単独行は経験を積んでから」と「同行者が見つからない」と言う項目を書き、そこに繋がる解決方法や新たな疑問、考えをドンドン継ぎ足していきましょう。

全体の内容とスタイルを決める

今度は、どんなトレッキングをするのか?ということを考えます。どこへ、いつ行くか?または、いつ、何処へ行くか?と考えますが、やはり、初めのうちは最適なシーズンに、最適な場所へ、最適なルートへ行く事をオススメします。次はどんな形態でトレッキングするのかを考えます。大きく分けて3つのスタイルがあり、オーソドックスな縦走型のトレッキング。山から山へと移動しながら、稜線通りに歩くスタイル。刻々と変化する展望が魅力で、夏の高山ならばお花畑や残雪を楽しみながら歩けます。定着型のトレッキングは、山の麓にある山小屋やキャンプ場をベースキャンプにして、そこから周辺にある山や森へトレッキングを楽しみに行くスタイル。このスタイルは、体力的、精神的に余裕を持て、天候、体調の急変に対応しやすいというメリットがある。最後は、日帰りトレッキングだ。初めのトレッキングにもちょうどいいコースもたくさんある。

どこにたどり着くか?

オーソドックスで雄大な展望が魅力な縦走型のトレッキングは、一点難点がある。それは、入・下山口が異なることが多いということだ。山小屋から山小屋または、キャンプ地からキャンプ地へ移動する縦走型のトレッキングは、マイカーで入山口まで利用しづらい。初めは入・下山口が同じの日帰りトレッキングや、キャンプ場や山小屋を起点とする定着型からがいいでしょう。

宿泊するトレッキングについて

宿泊形態のトレッキングは、当然山小屋かキャンプするかを選択する。どちらも長所・短所があるが、初めてのトレッキングでの宿泊なら、やはり食事付きの山小屋泊まりをオススメします。荷物の量の軽減と時間を有効につかえるので、初心者はこちらから始めたほうがいいでしょう。何事にも余裕が有ったほうがいいですから。 一方キャンプの場合は、荷物が倍増し、テントの設営と撤収、調理や借字の後片付け、パッキングなど慣れないと時間が取られてしましいます。行動中は歩くことで精一杯、キャンプ地でも慌ただしく動いて、のんびりする暇もない。山小屋これではトレッキングを楽しむことはできません。 どうしてもキャンプをしたいなら、定着型のトレッキングをするといいでしょう。キャンプ場でテントの設営と撤収、食事の調理などをしながら、トレッキングを楽しみながら経験を積めばいいのです。

交通手段は何をつかう?宿泊形態は?

トレッキングのフィールドに出かけるのにどのような交通手段で、行くかということも計画のフローチャートに書き込むといいでしょう。例えば公共交通機関を使用するなら、運行ダイヤの確認を下調べしておく。マイカーで乗り付けるなら現地の駐車場を確認しておきましょう。また、宿泊するようなトレッキングの場合は、宿泊形態で準備が変ります。山小屋なら予約が必要ですし、キャンプなら装備、食料計画をしっかり立てましょう。

トレッキングの三種の神器

初めてのトレッキングだと心配でアレコレ詰め込んでしまいがちだが、それだと肝心な物を忘れてしまいそうになります。とりあえず、基本的なアイテムだけを抑えておくように、心掛けましょう。季節・場所、日程に関係なくトレッキングに出かける時に忘れてはいけないアイテムがいくつかあります。それは、雨具(レインウエア)、ライト、水筒の3点だ。山の天気は変わりやすので、たとえ日帰りであってもレインウエアは必要です。ライトも日帰りで日が暮れてしまった場合、下山はライト無しでは不可能になる恐れがありますので、実際に使わなくても持っていると安心です。装備水筒はもちろん水が満タンなものです。普段のトレッキングでも水分補給は大事ですが、夏場の脱水症状の防止、万が一の遭難状態でも、水があればしばらく生きながらえます。この3つのアイテムはトレッキングに於いての三種の神器です。

三種の神器の選択ポイント

トレッキングの三種の神器(レインウエア、ライト、水筒)を選ぶ時のポイントは、レインウエアの場合はセパレートタイプで、蒸れにくいゴアテックス製がオススメです。レインウエアは、いざとなれば防寒具にもなります。ライトは、両手が自由になるヘッドランプが便利です。予備の電池もお忘れなく。水筒は、水漏れし無ければどんなタイプでも大丈夫です。日帰り、小屋泊まりなら1リットルぐらいが適量。

トレッキングに必要なモノ

三種の神器の雨具、ライト、水筒のほかにも重要なアイテムがあります。まずは地図とコンパス。霧に巻かれたり、道に迷った時に、進むべき方向やルートを確認するためには無くてはならないものだ。もちろん事前に地図の読み方や、コンパスの使い方をマスターしておくことが必要だ。そして、非常食。万が一の遭難、遭難とまでは行かなくても途中ピバーグする必要性が出た場合など食料があるとないとでは大違いだ。非常食とまで行かなくても、行動時の携帯食を多めに持っていくだけでも大丈夫だ。

エマージェンシーキットより安全で、快適なトレッキングを楽しむために、いくつか持って行くといいものがある。まず、ファーストエイドキット、つまり救急セットだ。野外でのチョットした擦り傷、切り傷はつきものだ。靴ずれやマメができることもある。そんな時に役立つので、必要最小限でいいので持っていたい。

エマージェンシーキットとザックカバー

宿泊形態のトレッキングに出かける様になれば、エマージェンシーキットという緊急時のためのサバイバルグッズを持っておくといいでしょう。体温を保温するためのアルミ蒸着シート、助けを呼ぶためのホイッスル、火をおこすためのマッチや固形燃料、そしてナイフや細引きロープなどがコンパクトに納めておくといいでしょう。この他にレインウエア以外にザックカバーも持っていると荷物濡らさないので便利。