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トレッキングコースガイド

ここではトレッキング入門者のトレッキングコースについて、その選び方からメジャーなコースまでを紹介しています。初心者のうちは、出来るだけ危険が少なく道に迷いづらい、簡単なコースから慣らすようにしましょう。

ビギナー用のコースについて

これからトレッキングを始めようとしている初心者が、毎違いのないトレッキングコースを選ぶには、どんな点を注意したらいいでしょう?挙げられるポイントとして、歩きにくい岩場や危険箇所がないこと、コースが分かりやすいこと、標高差がすくないことです。

またトレッカーが多い地域であることも大切な要素です。例えば、白馬岳の縦走コースは、ビギナーからベテランまで多くのトレッカーの人気のコースです。高山帯なりの厳しさはあるのですが、特別に危険な場所は殆ど無く、山小屋も多く存在し、天候の変化が急変しても避難しやすく、万が一の事故にもレスキューシステムがあるので、より安全だ。

このように山小屋が多い人気コースなら、1日に歩く時間も半日程度に短く出来る。しかし、有名な所ばかりだと、夏山にだけしか行けません。四季の風情を味わいたいなら、シーズン問わず楽しめる低山がオススメです。

登頂にこだわらないトレッキング

山にのぼるばかりが、トレッキングではありません。日本のあちらこちらには、東海自然歩道などの自然探勝コースがあります。自然を満喫しながらロングコースを何日も掛けてコースを制覇するのもいいでしょう。

また、歴史を感じながら歩くコースもあります。箱根の旧東海道の石畳や杉並木の道を歩いたり、廃線になった線路の上を歩いたりする。ただ歩くだけではなく、何かをプラスすることで、トレッキングを長く楽しむ事ができます。

天気を予測しておく

雨の日を避けてのトレッキングが考えられない、雨の多い国・日本。日本は偏西風帯にあるので、天気は西から東へ変わっていく。現在地よりも西の天気を知ることで現在地の天気を予測する事ができる。

天気図にはいろいろな天気記号があり、雨・雪など、天気とその広がり具合などがわかる。風向きは16方位の分けられており、矢羽根の向きで表されており、矢羽根の羽の数は、風の強さを表し、12階級に分けられている。等高線が同じ硬度を結んだように、等圧線は同じ気圧の部分を結んでいる。等圧線にギザギザがついたような寒冷前線や半円がついた温暖前線は、性質の違う空気の境目を表している。周りの気圧より高い部分が高気圧で、周辺より低いのが低気圧だ。

天気図を見て予測するには、高気圧、低気圧を囲む、等圧線の変化と移動を調べる方法がある。しかし、1枚の天気図だけを見ても予測は難しく、普段から毎日同じ新聞の天気図やテレビの天気図を見て、予報と実際の天気の傾向を知っておこう。

見上げてわかる天気

実際にフィールドに出ると天気図とにらめっことは行かない。新しい天気の情報はラジオ等から得るか、実査に空を眺めたり、肌で感じたりと自然現象で予測するしかない。それと、季節ごとの天気周期を頭に入れておく。朝、西の空にまったく雲がなければ、7時間はくらいは晴天は続くき、地平線に中層雲があれば4~5時間、下層雲だと1時間くらいは天気はもつ。

トレッカーの理想コース『礼文島』

日本でも最高のトレッキングコースを提供してくれる最果ての島、礼文島は海を挟んで遠くに見える利尻岳のマウンテンビュー、足元には高山植物の花々が可憐に咲く、そして荒々しい海岸線のシーサイドウォークと、変化に富んでいてトレッカー達を飽きさせないコースだ。特に、スコトン岬から地蔵岩までは「愛とロマンの8時間コース」と呼ばれ、多くのトレッカーの憧れのルートでもある。

その先の知床まで足を伸ばせば、礼文島を縦断したことになり、達成感もひとしおだ。礼文島はその特異な気候から、海岸線に高山植物が咲き乱れる。宇遠内から先は海岸沿いを歩くコースで、固定ロープを掴んで通過しなければならないような足場が悪いところもあるので注意が必要だ。

また天候が悪い場合は、無理にコースを進むような無理をせず、宇遠内の休み茶屋から、タクシーを呼んで引き返すことも大事です。

参考コースタイム

スコトン岬~西上泊~宇遠内~元地~知床を縦断するコースの参考タイムとして、第1日:スコトン岬(2時間30分)西上泊、第2日:西上泊(2時間)沼国分岐(2時間)宇遠内(2時間20分)元地、第3日:元地(1時間30分)桃岩(1時間)知床 以上が縦断コースだ。島へ渡るには、稚内港をフェリーで1時間50分、または稚内空港から飛行機(25分)を利用する。

トレッカーの聖地『尾瀬』

日本有数で、かつ本州最大の高層湿原である尾瀬。言わずと知れたトレッキングの聖地だ。勿論、メジャーさゆえ、訪れる人も多く、水芭蕉の最盛期のころは木道をすれ違うのも一苦労だ。それでも、その自然景観はずばらしく、水芭蕉だけではなく7月下旬のワタスゲ、下旬のニッコウキスゲなどの大群落は見事だ。

沼山峠から尾瀬沼を経て鳩侍峠に至るコースは、尾瀬の魅力すべて満喫できる。変化に富んだ景観も人気のポイントである。尾瀬沼から見る燧ヶ岳や、尾瀬ヶ原の高層湿原、至仏山の高山植物、湿原のそこここに咲く、可憐なヒツジグサと魅力は尽きることがない。

しかし、近年のトレッカーの急増により、マイカー規制や山小屋の完全予約制による入山者の制限など、尾瀬の自然環境の保全が叫ばれている。すこしシーズンを外して、あえて静かな尾瀬を歩くことが、尾瀬を楽しむポイントかもしれない。

参考コースタイム

沼山峠~~下田代十字路~山ノ鼻~至仏山~鳩侍峠を歩くコースの参考タイムとして、第1日:沼山峠(1時間5分)尾瀬沼、第2日:尾瀬沼(2時間50分)下田代十字路(2時間)山ノ鼻、第3日:山ノ鼻(2時間30分)至仏山(1時間40分)鳩侍峠 以上がトレッキングコースだ。沼山峠へは会津高原尾瀬口駅からバスで約2時間15分。鳩侍峠からは上越線沼田駅へ戸倉で乗り換えて約2時間5分。

魅力の宝庫『北八ヶ岳』

北八ガ岳は、太古の森を彷彿させる静寂と、苔むした原生林が魅力でありながら、手軽にアプローチで高山帯へいけることだろう。

北八ヶ岳山中には雰囲気のいい山小屋も多く、山小屋から山小屋を渡る縦走タイプのトレッキングを楽しめる。とくに、稲子湯から天狗岳を経て麦草峠にたどり着くコースには温泉もあるので、トレッキングもより楽しみがさらに増えるに違いないだろう。

北八ヶ岳のもう一つの魅力は、四季を通じて楽しめるということだ。夏には涼やかな風に吹かれながら、秋にはカラマツの黄金色の黄葉を眺めながら、そして、北欧を思わせるスノートレッキングも楽しめる冬。本沢温泉からちょっと頑張れば、天狗岳に到達する。天狗岳からは眼前の南アルプスから遠く北アルプスまでを見渡せて、アルペン気分も満喫できる。北八ヶ岳は、トレッキングの楽しみが凝縮されたエリアといえるだろう。

参考コースタイム

稲子湯~本沢温泉~天狗岳~高見石~白駒池~麦草峠を歩くコースの参考タイムとして、第1日:稲子湯(2時間50分)本沢温泉、第2日:本沢温泉(2時間30分)天狗岳(2時間10分)高見石、第3日:高見石(25分)白駒池(35分)麦草峠 以上がトレッキングコースだ。稲子湯へは小海線小海駅からバス約40分。麦草峠から中央本線茅野駅までバス約1時間40分

北アルプスの楽園『白馬岳』

北アルプス屈指の高山植物の宝庫である白馬岳。3,000m近い稜線に広がる高山植物のお花畑は、これまでの登ってきた疲れを全部吹き飛ばしてくれるだろう。大出原は白馬岳屈指のお花畑だ。オレンジ色のクルマユリが見事である。もちろん頂上からの展望も素晴らしい。日本の屋根と呼ばれるアルプスを心ゆくまで勘能できる。

栂池自然園から白馬岳を経て猿倉へのルートは、栂池のロープウェイを利用して、一気に雲上の楽園へ達成できるのは魅力だろう。ロープウェイの終点でもある栂池自然園は、木道が整備された高層湿原で、シーズンを通して手軽に湿原を堪能できる。 白馬岳そこから天狗原、白馬大池と過ぎ、白馬岳に至るのだ。豪快な白馬岳パノラマの広がる白馬三山縦走路は見事とではあるが、白馬岳を歩くつもりであるなら、経験者の同行が望ましい。山中の3泊4日のコースとしては、一般的な体力があれば無理なく歩けるルートだ。

参考コースタイム

栂池自然園~白馬大池~白馬岳~鑓温泉~猿倉を歩くコースの参考タイムとして、第1日:栂池自然園(3時間)白馬大池、第2日:白馬大池(3時間)白馬山荘、第3日:白馬山荘(4時間40分)鑓温泉、第4日:鑓温泉(3時間)猿倉 以上がトレッキングコースだ。栂池自然園へは大糸線白馬駅からバス25分で栂池高原へ。さらにゴンドラリフト、ロープウェイを乗り継ぎ30分。猿倉からは白馬駅までバスで27分。

厳格な自然を味わう『九重連峰』

九州の屋根とも言える九重連峰は、今なお火山活動を続ける火山の峰々だ。大迫力のその景観はトレッキングの醍醐味ともいえるだろう。また、草原が広がる坊ガツルの湿原には、高山植物が咲き誇る。そして、大船山まで足を延ばせば、九重の初夏を彩るミヤマシキミの群落に出会えることだろう。

九重連峰長者原から法華院温泉までは半日の行程。1日目の最後は法華院温泉の温泉で、汗を流して疲れを癒すのもいいだろう。法華院周辺や坊ガツルはキャンプ場としても素晴らしく、慣れたらテントを担いでのトレッキングに挑戦するのもいいだろう。中岳や久住山へのベースキャンプとしてではなく、給水設備やトイレも整っているので、温泉に浸かりながらのんびりと滞在するのもいいだろう。

95年10月に噴火活動が再開した硫黄山周辺は、噴火による溜まった有毒ガスがあるので、充分に注意をはらいたい。

参考コースタイム

長者原~法華院温泉~大船山~雨ヶ池越~長者原を歩くコースの参考タイムとして、第1日:長者原(1時間30分)スガモリ越(1時間)法華院温泉、第2日:法華院温泉(2時間)大船山 (1時間10分)坊ガツル避難小屋(50分)雨ヶ池越(1時間)長者原 以上がトレッキングコースだ。長者原へは、久大本線豊後中村駅からバスで約1時間。1泊2日の入門者にはピッタリのコースだ。

海外のトレッキングコースへ

最高峰のネパール・ヒマラヤや美しいスイス・アルプスといた、これらの世界の名峰も、登ることは難しいが、山々の麓をトレッキングすることは、決して難しくはありません。海外トレッキングの最大の魅力は、日本には存在しない高い峰や氷河の世界を堪能できることです。

海外トレッキングに出かけるには、航空券だけを買い、それ以外は自分で手配する方法がある。安くあがることが多いが、それなりの英語力と交渉力と経験が必要です。それとスケジュールは長期に渡ります。

もうひとつの方法として、旅行会社の企画するツアーに参加することです。この方法は、手続きや様々な手配を自分でしなくて済むので、楽ですが、冒険らしさがなくなります。

このふたつの中間が、事前手配を旅行会社でおこない、個人で旅行するというやり方です。どの方法がいいかは、個人の好みになってきます。いずれにせよ基本的に海外旅行なので、パスポートの取得をお忘れなく。

海外トレッキングエリアの特徴

ヨーロッパ・アルプスは人気が高い。山岳交通を利用して、ハイキングからクライミングと幅広く色々楽しめるので、誰にでもオススメのフィールドエリアだ。カナディアンロッキーやアメリカ西海岸は、交通が不便なことが多いが、手付かずの自然を満喫することができる。ニュージランドは箱庭のような美しい自然が楽しめる。また、日本と真逆の季節を楽しむことができるのも魅力のひとつです。